125 第79期順位戦終了、名人挑戦はさいたろう八段 [Mar 18, 2021]

第79期順位戦が、3月11日のB級1組を最後に終了した。

今回からB1からC1までの昇級・降級枠が2から3に拡大された。永瀬王座、藤井二冠、高見七段のタイトル保持者・経験者は手堅く、横山七段、高崎七段といった頭ハネの常連もまた昇級を果たしている。 “125 第79期順位戦終了、名人挑戦はさいたろう八段 [Mar 18, 2021]” の続きを読む

124 第46期棋王戦、糸谷八段5年ぶりタイトル戦へ [Dec 29, 2020]

第46期棋王戦挑戦者決定二番勝負(2020/12/18-28)
糸谷哲郎八段 O 2 - 0 X 広瀬章人八段  

デビュー初年度の本田五段(当時四段)が昨年の挑戦者だったように、新鋭棋士が活躍する棋戦として定評のある棋王戦だが、今年はタイトル戦に実績のある4名が勝ち残った。4名とも、渡辺棋王と番勝負を戦った経験がある。

昨年に続いてのベスト4入りは広瀬章人八段のみ。準決勝で広瀬と当たるのは、四強の一角、永瀬王座である。永瀬王座は、同時に進行している王将戦で挑戦権を獲得し、年明けから渡辺王将と七番勝負が始まる。

もう一つの山からは、久保九段と糸谷八段が勝ち上がった。久保九段は2-3で奪取ならなかったが今年の王座戦の挑戦者であり、引き続き好調を維持している。かたや糸谷八段は昨年A級に昇進し、今年も挑戦者争いに加わっている。

勝者組決勝は広瀬vs糸谷の元竜王対決。ともに竜王失冠以来やや調子を落としているものの、A級上位の実力棋士である。だから両者とも勝ち上がって何の不思議もないのだけれど、四強が圧倒的に強い昨今の趨勢からすると、やや意外な組み合わせである。

(そのせいか、挑戦者決定第2局のabema視聴者数も20万人台で、藤井二冠の100万人以上とかなり違った。)

糸谷先手で戦型は角換わり。速攻に出た糸谷だが、広瀬陣は厚く決定打にはならない。糸谷の攻めが止まったところで広瀬が逆襲、94手で広瀬が勝者組からの勝ち上がりを決めた。

敗者復活戦決勝は糸谷vs永瀬。最近充実著しい永瀬に対し、糸谷が角換わりで大駒の取り合いから、例によって早指しでペースを握り、持ち時間を半分残して永瀬の粘り腰を発揮させなかった。

挑戦者決定戦は、勝者組決勝からの広瀬・糸谷三番勝負となった。この二人の対戦、二番勝負直前では広瀬10勝、糸谷3勝とかなりの差が開いている。そのせいか、序盤から糸谷が時間を使う珍しい展開。勝者組決勝とは異なり勝負は夜戦にもつれ込む。

陣形は先手の糸谷が堅いが、飛車角を押さえ込まれて厳しい中盤戦。ここで角を切って金打ちの俗手で敵陣の飛車に迫ったあたりから糸谷が追い上げる。薄い広瀬玉は入玉を目指すが、最後は即詰みに討ち取り、挑戦者決定は年末の第2局に持ち込まれることとなった。

第2局が組まれたのは12月28日、ご用納めの日である。挑戦者決定戦二番勝負というけれども、先後は二局とも振り駒で決められる。結果、糸谷が先手番。本割、第1局、第2局とすべて糸谷先手となった。

戦型は再び角換わり。後手番の広瀬が銀桂交換の駒損から馬を作るという作戦に出て、またもや糸谷が時間を使う展開となった。午前中に広瀬八段が30分も使っていないのに対し、糸谷八段は1時間以上使っている。早指しのイメージが濃いだけに、意外な展開となった。

下図まで、糸谷は中盤を制圧したけれども大駒金駒が渋滞している印象があり、6三桂と両取りをかけた場面では後手ペースかと思われた。しかし、評価値はこのあたりから先手に振れていた。これで指せると判断していたとしたら、すごいことである。

この後、桂馬で角を取り6七歩がと金になり、入手した角で6六の飛車を取って後手の思い通りになったのだが、そこから明確な寄せがない。一方で後手の飛車は封じられ、序盤で2筋を押し込まれた影響で玉がたいへん狭い。結局その狭さをとがめて、糸谷がきわどく攻め合いを制したのである。

敗者組から2連勝で挑戦者となったのは2015年の天彦八段(当時)以来。二番勝負とはいうものの第1局は勝者組・敗者組の決勝戦で、第2局は同率プレーオフだから振り駒でおかしくないが、2番続けて先手番を引いた糸谷八段はラッキーであった。

糸谷八段は、2015年の竜王戦以来5年ぶりのタイトル戦登場、相手はその時1-4で竜王を獲られた渡辺棋王である。三冠名人の壁は厚いが、渡辺棋王は王将戦とのダブル日程となる。イメチェンを果たしつつある糸谷八段の雪辱を期待したい。

[Dec 29,2020]


後手番広瀬八段思い通りの局面に誘導したと見えたこのあたりから、形勢は糸谷八段に傾いていた。角銀両取りをかけたこの後、6七の歩も成って飛車も取ったのだが、自陣の玉が狭いところを突かれてしまった。

119 九番勝負までもつれて豊島再び二冠に ~第5期叡王戦 [Sep 22, 2020]

第5期叡王戦七番勝負(2020/6/21-9/21)
豊島将之名人 O 4(2持将棋)3 X 永瀬拓矢叡王 

タイトルに昇格して2期が4-0のストレート決着であっさり決まった反動という訳でもあるまいが、第5期叡王戦はいつ終わるのか分からない長期戦となった。 “119 九番勝負までもつれて豊島再び二冠に ~第5期叡王戦 [Sep 22, 2020]” の続きを読む

120 竜王戦挑戦者は羽生九段 [Sep 20, 2020]

第33期竜王戦 挑戦者決定三番勝負(2020/8/17-9/19)
羽生善治九段 O 2-1 X 丸山忠久九段

第33期竜王戦決勝トーナメントは、開幕早々大波乱となった。中心になるとみられていた藤井聡太棋聖が、緒戦で丸山忠久九段に敗れたのである。 “120 竜王戦挑戦者は羽生九段 [Sep 20, 2020]” の続きを読む

118 藤井棋聖、王位も奪取して二冠達成 ~第61期王位戦 [Aug 21, 2020]

第61期王位戦七番勝負(2020/7/1-8/20)
藤井聡太棋聖 O 4-0 X 木村一基王位

今年の藤井棋聖の勝率8割は難しいだろうと予想していたのだが、王位をストレートで奪取。タイトル戦番勝負を7勝1敗で通過し、ノンストップで4年連続勝率8割が現実味を帯びてきた。4年連続勝率8割は、過去には達成されていない。 “118 藤井棋聖、王位も奪取して二冠達成 ~第61期王位戦 [Aug 21, 2020]” の続きを読む

117 第78期名人戦、豊島またも防衛ならず渡辺新名人誕生 [Aug 17, 2020]

第78期名人戦七番勝負(2020/6/10-8/15)
渡辺 明二冠 O 4-2 X 豊島将之竜王名人

豊島竜王名人はこれまで4つのタイトルを獲得しているが、過去に獲得した棋聖、王位はいずれも初防衛に失敗している。取られたらすぐ別のタイトルを取り返すので現在は竜王名人だが、あまり防衛戦に相性がよくない。 “117 第78期名人戦、豊島またも防衛ならず渡辺新名人誕生 [Aug 17, 2020]” の続きを読む