
なんとなく思うこと・・・ニュースや世間のいろいろなこと、私が思うことと世間が感じることは違うみたいです。
よく分からない東武線事故 災害は忘れた頃に
あれが悪口と思う頭が70年古い
私が大学に入った頃すでに学生運動のピークは過ぎていたが、運動家が授業に入ってきて中断させたり、学内にも立て看板やビラがまだたくさんあった。共産党や民青も勢いがあって、いろいろ宣伝活動(先方は啓蒙活動と思っていたのだろう)が多かったのを覚えている。
だから左の方々は好きではないのだが、思想そのものは決して悪くはないはずである。貧富の差などない方がいいし、カネ持ちが社会で優遇されて当り前とも思わない。教育はすべての子供に均等な機会が与えられるべきだし、教育現場に宗教や軍国思想が入るべきでもない。
今回の立憲民主党議員の問題発言も、彼女が自衛隊をよくないと考えているそのこと自体が間違いとはいえない。世の中から、戦争も軍隊もなくなるのが望ましいし、その方向に向かって言論活動するのは自由である。そして、「自衛隊に入るのは経済的に苦しい家が多い」のは確かである。
問題はいくつかあって、ああいう言い方は失礼だし、自衛隊員すべてが貧しい環境に育った訳ではない。自衛官が多い一族が自衛隊に入るのと、病院一族が医者になり、福祉一族が施設職員になり、銀行員一族が金融機関に入ることと基本的に違いはない。
それより私が首をひねるのは、彼女がそれを「自衛隊をおとしめる」「自衛隊のイメージを下げる」いわゆる悪口のつもりで発言していることである。各党議員も、世間一般も、そういう趣旨で糾弾しているように見える。しかしよく考えれば、それは悪口にもならないしイメージダウンにもならない。立憲民主党の古さ、頭の固さを示すだけである。
この議員は日教組の推薦で、立憲民主の比例から参議院に議席を得た。日教組といえば、半世紀前「自衛隊は人殺しの集団だ」と授業で教えていた人達である。当時はまだ敗戦から間もなく、軍隊やその威を借りる連中にひどい目に遭った人達が多かったから、すべての人ではないもののある程度理解は得られた。
しかし戦後80年経って、自衛隊に嫌な思いをさせられた人は多くはない。確かに自衛隊の訓練は敵を殺傷することが目的だが、任務中の自衛隊に殺された民間人は国内外とも一人もいない(訓練中の死亡事故や、OBの起こした殺人事件くらいである)。
国民を守ること災害復旧することに意義を見出す人は多いし、給料をもらいながら大型や特殊車両、航空関係の資格を取りたい人だっている。カネ儲けの手伝いをするよりよほど人間らしい仕事だと私は思う。
そもそも、「貧乏人」が悪口やイメージダウンになると思う感覚が古すぎる。私自身、直接そう言われたとしても腹は立たないし、言った人間の品格が疑われるだけの話である。あの議員は全国に向けて「私は品格のない人間です」と言っているようなものである。
彼女やブレーンにもう少し知恵があれば、「自衛隊にはいまだにパワハラやセクハラがあり、訓練に名を借りたいじめも後を絶たないと聞きますが、大臣の見解をお伺いしたい」と質問しただろう。小泉Jr.がイエスと答えてもノーと答えても言質をとることができる。おそらく「ノーコメント」だろうが、「即座に否定なさらなかったと受け取っておきます」で十分である。
もし彼女が自衛隊のイメージダウンを図りたいなら、経済的に貧しい云々よりも前時代的職場だと強調すべきであろう。経済的に苦しい人間が多く入る組織があるとすればむしろイメージアップである。テレビ局に政治家やカネ持ちの子供が入ると聞くと、たいていの人はうさんくさいと思う。その逆バージョンである。
立憲民主党は身内の連合や国民民主党からも非難されている。身から出た錆、自業自得である。社会党がほぼ消滅したように、立憲民主党もこの先多くの支持を失っていくだろう。日教組も同様。この際PTAもなくなった方が、少子化対策になる。
[Jun 23, 2026]
立憲民主党議員の問題発言。彼女は日教組の推薦議員なので、自衛隊を認める訳にはいかないのだろう。ただし、イメージダウンさせる手段を間違えている。

架空話ブログが多いみたいで
世の中には架空話を書くブロガーが多いらしく、先般もいくつかのサイトにそんなことが書かれていた。それを読んで思い出したことがあったので、せっかくだから書いておく。二十数年ブログをやっているのでどこかで書いたかもしれないけれど「昔読んだ話だよ。年取ったから忘れたんだね」と許していただけたら幸いです。
私がブログを始めたのは2005年だが、ネット界隈に顔を出すようになったのはもう少し前、ミレニアム前後の頃である。当時まだコンピュータは文字のやり取りとアスキーアートくらいしかできなくて、つなぐのも富士通やNECのアクセスポイントまで電話しなければならなかった。
それでも、限られた時間(深夜の空いている2~3時間しかできなかった)に趣味の同じ人達とチャットをするのは、すごく新鮮で楽しかった。リアルでほとんど気の合う友人がいなかったので、生まれて初めて気の置けない仲間と付き合うことができたと思っている。
当時は、ニフティ会議室の某ジャンルに参加して、記事を書いたりチャットに加わったりした。そのおかげで、カナタイプが5割方速くなった。オートレース関係の記事をよく書いて(森クンのデビューが1997年。川口で現地観戦し、デビュー戦の記事を書いた)、そういうやり取りをしたのを覚えている。
そういう機会が重なると、自然と「今度ご一緒しましょう」という話になる。だから、性別や年齢を偽ったり、していないことを自慢すると、いずれバレることになる。何度かご一緒する機会はあったが、みなさん常識的で賢い方々であった。
(オートレース関係ではないが、当時ニフティのチャットに参加していた中で、後にポーカーでもご一緒することになった方がいる。三菱電機のSEをされていた。そういう職種の方が多かった時代である。私と同年代だからもう現役引退されているだろう)
その後、興味の中心が海外旅行やカシノ、ポーカーに移り、活動するのもそちらが中心になった。当時はオフ会が盛んだったから、年に何度かは現地でご一緒したり、国内でも集まって飲んだりした。
そして、当時はネットからの情報提供がいまのように充実してなくて、経験ある人のサイトを探して探して、ようやく目指す情報にたどり着けるという状況だった。いまなら、海外カシノの行き方やプレイの仕方、コンプの受け取り方の情報はどこにでもあるが、当時はごくごく限られていた。
そういうサイトでいろいろな情報をいただいたお礼に、自分でも知る範囲の体験をお話ししようと始めたのがそもそものブログの発端である。だから、倉庫の奥の方には、バカラやブラックジャック、大小、パイガオの楽しみ方が書いてあるし、中国罫線の記事もある。
そういう情報に、嘘やいい加減なことは書けない。記事を書く目的の半分は情報共有で、あと半分は自分で後から読んで「こういうことがあったな」と思い出すためである。嘘を書いても仕方がないし、自分の参考にもならない。そもそも楽しくない。
リタイアして資金的余裕がなくなり、いまやブログ記事はランニングや健康管理(糖質制限)が中心になった。この分野も同じことで、減ってもいない体重を減ったと書いたり、走ってもいないタイム、してもいないトレーニングで法螺を吹いても仕方がない。
マラソン大会ではどなたともご一緒しないけれど、将来みんな似たようなタイムになってご一緒できるかもしれない。何より、同じ世代同じ経験値で参加するランナーに失礼である。そして、何年前はどのくらいの体重でどういう体調だったか正確に記録するのは、誰のためでもない自分のためである。
昨日の続き。架空話ブログを書くのはアクセス稼ぎ、究極的には広告収入、アフィリエイトという実入りを目的としたものだそうだ。
私だって日々のアクセス数はチェックしていて、多ければ励みになるし少なければもっと話題を工夫しようと思う。とはいえ、友人の数を自慢するようなもので、多ければいいというものではないし、少なくても自分が後から読んで楽しめるからそれでいいと思っている。
実入り云々は、広告費やキャッシュバックをいただいた経験がなく、広告を入れるのも嫌なので昔から利用料を払う有料サイトである。自分が楽しいから書いているのに、それで収入まで期待しようとは思わない。昔はそんなものなかったし。
私のかつて常駐していた海外旅行やカシノのサイトとか、最近の糖質制限、登山、ランニングも、架空話をブログに載せる人はほとんどいないようである。メンバーが少ないし、見ようと思えば顔も見ることができる。嘘を書いてアクセスを稼いでも仕方ないジャンルかもしれない。
ところが、シニアサイトとか、貧乏・生活苦のブログとなると、アクセス数上位に架空話が少なくないそうだ。
通りがかりの人も多いし、タイトルに釣られてクリックするかもしれない。多い人だと何万もアクセスがあるらしいから、趣味と実益が両立するのだろう。
そう言われれば「もう離婚までカウントダウンです」とか「不治の病です」みたいな、タイトルだけで「釣り」的なブログを目にする。そういうブログに限って毎日更新するけれど、まあ、年単位では続かないようである。
たかだかアクセス数を増やしたいために、有名人と知り合いですとか電気ガス止められましたとか書いても仕方がない。ひどいのになると表題、サムネだけで他人の記事にリンクを張るだけなのもある。一度は騙されるが二度と行かない。
そういうサイトにアクセスが集中するのもどうかと思うが、人それぞれの考え方楽しみ方があるのでどうこう言わない。嘘つきは法令に触れないし。個人的にはそういう記事を読んで時間をムダにしたくないので、読まないし近づかないようにしている。
自分がそういうことをしないのは、貧乏ですとか病気ですみたいな嘘を書くと、そういう現実を引き寄せてしまうと思うからである。いわゆる「言霊」で、半世紀前には結婚式のご祝儀で二万円は包めなかった(割れるから)。カシノの話で大儲けしたと書いても破産したと書いても具合が悪いから、事実をそのまま書くしかない。たいてい持ち込んだおカネを溶かすだけである。
内田樹先生によると、高速で路肩を走って渋滞を抜け得意になっているドライバーに、将来いいことはないらしい。そういう行為の裏で「みんなが自分のようにしたら困る」という意識が働いていて、それは「自分のような人間はいない方がいい」という呪いとなって、自身に跳ね返ってくるそうである。
結論としては、架空話っぽい匂いを感じたら近づかないのが身のためであろう。書いている作者にいいことがなければ、読んだ人にだっていいことはない。私は私の経験が参考になればと思って書いている。私と同じような感性のひとを読者に想定しているので、「呪い」にはならないはずである。
[Jul 10, 2026]
高市は何がやりたい? 国会閉幕
今年度の国会が先週会期末を迎えた。令和8年の通常国会は冒頭解散されたので、いままでやっていたのは特別国会。150日の会期であったが8日間延長されて、それが先週末までであった。
特別国会は、首班指名が本来の目的である。解散を断行して衆議院の絶対多数を掌握した高市・女安倍だから、さぞかしやりたいことがあったのだろうと思いきや、成立したのは皇室典範改正と国旗損壊罪くらいである。議員定数も、食品の消費税率も、ほとんど手つかずのまま次の国会に先送りされた。
会期末に焦点となった副首都構想だが、たいして新味はないし、今日明日を急ぐものでもない。そもそも半世紀前、首都機能の一部を移すはずだったつくばも埼玉新都心も、ビルが増えただけで霞が関の機能はそのままである。大阪府が大阪都になったって、何も変わらない。
こうしてみると、高市はいったい何がしたいのか、国民の多くはどこを見て支持しているのかよく分からない。安倍と一緒で、大抵の事は放置しておけば時間が解決すると思っているのかもしれない。実際、コメ価格は今年も豊作確実で今後の値崩れが確実な情勢である。
半面、物価高騰や石油化学製品の需給ひっ迫は、放っておけば事態が深刻化する。オイルショックのように、燃料価格が倍以上に値上がりすれば高市支持の連中も目が覚めるのかもしれないが、当分国政選挙はないので目を覚ましたところで実害はない。
中国と仲を悪くして観光客を減らしても、行楽地に中国人を見かけなくなったから賛否両論だろう。中国は経済成長も大事だが、周辺国家がひれ伏すことは有史以来の伝統だから、体制側としては譲れない。朝鮮半島やベトナム、シンガポールと違って日本は二千年言うことを聞かないから、大目に見られているだけである。
皇室典範改正は今国会最大のテーマだったが、結局のところ解決を先送りしただけである。「皇族数の増加」が喫緊の課題だと主張するが、宮内庁が権限を手放さないから皇族数が必要なだけである。男系女子の宮家創設と養子縁組を認めたくらいのことは、自民党が絶対多数を取らなくてもできる。
本当は、絶対多数を確保したのだから女性天皇の筋道くらい作るべきだとは思うが、いろいろややこしい問題があるのだろう。皇室には皇室のルールがあり家庭の事情もある。能力ある人間が家を代表できると限らないのは民間企業だって同じだし、藤原氏も将軍家もその問題で悩まされてきた。
安倍後継を自任するだけあってトランプを持ち上げることには熱心だが、あの大統領は完全におかしい。考えられるのは、自分が証券や為替の売買で儲けるためにやっているということだが、そうであれば倫理上問題があるし、そうでなければ脳の回線が歪んでいる。
少なくとも、共同体を代表する立場にあれば、自分の損得は横に置いて国家百年の計を考えるべきだし、少なくともよりよい社会の実現を願わなければ人の上に立つ資格はない。
物価高騰対策として、消費税減税やら給付金やらいろいろリップサービスだけはしたけれど、結局下々のために何かやる気はないということだけは分かった。片山さつきを大蔵大臣にして新機軸を打ち出すと思いきや、結局何もせず、積極財政とやらで債務を積み上げただけである。
バブル崩壊からそろそろ40年、何もしなければハードランディングになるのだが、何かすると責任問題になるし選挙に負ける。それを恐れていては政治家はできないのだが、ほとんどの人は自分の任期だけよければいいと考える。だから安倍はああいう最期を迎えたし、女・安倍もろくなことにはならないだろう。
[Jul 27, 2026]
国会が閉幕した。衆議院の絶対多数を獲得した高市首相だが、結局何がしたいのかよく分からない。問題は時間が解決するし、下々のために何かする気もないのだろう。

よく分からない東武線事故
先週のニュースでよく分からなかったのは東武線の作業員衝突事故である。東武鉄道が責任回避したいのは分かる。分からないのは、なぜマスコミ各社が、中途半端な歯にものの挟まったような報道をするかである。
半世紀前の報道には、それなりの根性があった。視聴者・購読者に何が起こっているかを伝えたい。だからマスコミに就職して世のため人のために報道したい、よりよい社会にしたいという人が大多数だった。もちろん、わが身大事出世が本音という者もいただろうが、建前は真実を伝えたいということだった。
だから、新聞社やTV局に入ってろくに休暇も取れず、事件が起これば真夜中でも呼び出されて現場に向かうなんて話も、当り前にあった。父親が新聞記者で、ろくに家にいないという内容の小学生の作文も多くあった。
記者会見ともなれば、どうやって隠している真実を暴き出すか、答えざるを得ないようにもっていくかが記者の腕の見せ所だった。だから、佐藤首相は退陣会見で「新聞記者とは話したくない。TVカメラだけにしてくれ」と言ったのだ。
ところが、いつの時代からか、記者クラブは親睦会となり、答えにくい質問はしないようになった。おそらく、どこの社が何を訊くか事前に通知されていて、答える側も準備するし都合の悪い質問には答えないことになっているのだろう。嘆かわしいことである。
今回の衝突事故も、報道をみる限り見張員がちゃんと仕事せず、作業員が退避しないまま特急列車が進入したというシナリオに誘導したいようである。視聴者は誰もおかしいと思わないのだろうか。
日中、列車が運転されている最中に線路で作業をするのに、安全責任者を置かないはずがない。安全責任者が自ら見張りをする訳がないので、作業員の近くにいたはずである。工事なら現場監督である。おそらく、ホームないし作業員のすぐ近くにいたと思われる。
この現場監督or安全責任者は、見張員から連絡がないと列車の接近が分からないのだろうか。そんなはずがない。見張員の連絡は最終確認であって、事前に時刻表を調べ、何時何分には線路外退避しなければならないと時間割を作っていたはずだし、東武鉄道もそういうマニュアルなしで線路内作業を認めるとは思えない。
まして、都心のように5分以内の間隔で列車が来る訳でもない(そんな状況なら日中の作業は認めない)。1時間に上り下り合わせて5~6本、当該ホームにはその半分しか来ない。安全責任者はその時刻を頭に叩き込み、トイレにも行かずすぐに必要な動作をできるようにしないとおかしい。
もうひとつおかしいのは駅員である。事故のあった新鹿沼駅は特急停車駅で、もちろん有人駅である。件の特急スペーシアⅩも新鹿沼に停車する。東武日光や下今市よりも乗降客は少ないかもしれないが、ホームで待っていた人はいたはずであり、そのつもりで駅も安全管理している。
安全確保のためホームに駅員がいなければおかしいし、「△番線上り特急電車入ります。白線の内側へお下がり下さい」の放送はなかったのだろうか。ホームに駅員がいれば、列車の予定時刻に線路で消毒剤を散布していたら、笛を吹くなり大声を上げて注意しないのは謎だし、緊急停止のボタンだって操作できただろう。
リタイアしてからあまり電車に乗っていないので、もしかすると、今はそうした安全確認はしないのだろうか。
駅員や除草作業の安全責任者は、東武鉄道社員か、関連会社の東武建設社員である。関連会社社員はおそらく東武鉄道の出向者や転籍者だから、彼らの責任は東武鉄道本体に直結する。
だから、東武建設のさらに外注である見張員の責任を強調し、その方向に世論を誘導しようとしているようにみえる。しかし、外注できるのは責任は重くないということだし、彼らを監督する者が別にいるということである。
そうしたシナリオを何かおかしいと察知し、一番悪いのは安全確認していなかった東武鉄道でしょと質問するのがマスコミの責任だし、報道記者の根性である。週が明けてもまだ見張員云々という話をしているから、みんなそれでいいと思っているのだろう。
しかし、仮に見張員がちゃんと列車接近を見ていなかったり、訳も分からず進入許可の旗を振ったとしても、線路内に誰かいるのに特急列車が入ってくるのはシステムとしておかしい。作業員でなく乗客の誰かがホームから落ちても、同じように列車が突っ込んできたということになる。
問題があるのは安全責任者・現場監督と、発注先にすべてお任せで事故を招いた東武鉄道だと思われる。そして、東武鉄道の責任を追及できないマスコミが、高い支持率という空気がある女・安倍を追求できる訳がない。
[Aug 25, 2026]
東武線の作業員衝突事故は、TV報道や東武鉄道の記者会見を見てもよく分からない。みんなが責任回避したくてしようがないように見える。記者はちゃんと質問しているのか。

災害は忘れた頃にやってくる
千葉県を襲った水害。最近では2023年に養老渓谷の旅館街を壊滅させた台風13号などいくつかあるが、自分の住んでいる近くで印象に残っているのは昭和56年の利根川流域浸水である。
いつの間にか、古老と呼ばれてもおかしくない年齢に近づいている。いま現役で働いている人達の多くはバブル時代を知らないし、昭和56年には生まれていない人が多い。そして水害は、毎年のように全国どこかで起こるものだから、遠くの水害だと印象が薄くなるのは残念ながら仕方がない。
昭和56年の台風15号は、関東地方を直撃した大型台風であった。館山市に上陸した後速度を上げ、北関東・東北地方に大雨を降らせた。利根川・鬼怒川上流では1日で総雨量300~500mmに達し、そのためそれらの川が増水し、利根川沿いの千葉・茨城県境は水浸しとなった。
低い土地の住宅に浸水した他、河川敷のゴルフコースが冠水し、それらのコースではしばらくプレイできなかった。新聞記事で、普段はゴルフをする場所が増水した川になっていた写真を覚えている。
以降四十数年、あのレベルの水害は利根川では起きていない。利根川沿いの「スーパー堤防」で堤防が高くなったのも、ハザードマップ等で危険地域の周知が図られたのもそれ以来である。そして幸いに、利根川を増水させるような降水量がそれ以来なかった。
13日の千葉県で刻々と事態が悪化し、水没放置車両2千台超という状況に陥ったのは、役所・NHK・千葉テレビなど報道担当の出来の悪さ、最悪の事態を想定する想像力のなさが原因だが、昭和56年水害を経験していないので、何とかなると本心から思っていたかもしれない。
確かに、水害対策は昔より充実した。千葉市の地下には雨水を貯留するタンクが25mプール何個分もあるし、アンダーパスには排水設備が設置されている。しかし、すべて予算との兼ね合いで、予算がなければ想定される水量を低く見積る。東電福島の防潮堤防と同じである。バックアップ電源が動かず排水できなかったのは論外であるが。
自分が実際に確認していないことを、自治体の担当者が「対策は万全です」と言っているから信用したとすれば、マスコミ記者として不適格であろう。千葉テレビや千葉日報の記者ならあまり余力がないかもしれないが、在京TV局や新聞社にいれば、いくらでも勉強する時間はある。
本当は、自分で経験していなくても、記録を読んだり経験者から話を聞いて、万一に備えなければならない。しかしいまの世の中、そういう知恵のある奴は細かいとかうるさいと言われ、窓際に置かれる傾向にある。決定権のある部署に抜擢されるのは、コネのあるイエスマンだけである。
さて、NHKは千葉県豪雨に懲りて少々の雨でも「災害に最大限の注意が必要」と言い出しているが、羹(あつもの)に懲りてなんとかである。大した影響がない時に大騒ぎするから、いざという時にちゃんと動けない。その意味で心配なのは、近未来に必ず起こる首都圏での火山噴火である。
日本は地震国でもあるが、火山国でもある。富士山や浅間山は有史以来何度も噴火し、甚大な被害をもたらしてきた。いまの気象庁には、噴火予知などできないと思った方がいい。

こうなってみると心配なのは、近未来に必ず起こる首都圏での火山噴火である。私だって今年来年起こると確信する訳ではないが、これだけリスクマネジメントできない連中が揃っていると、さすがに心配になる。
富士山も浅間山も、数百年に一度必ず噴火してきた。関東平野にまんべんなく存在する関東ローム層は、それらの火山灰が積もったものである。地球規模でいえば、百年単位で起こるというのはそのうち必ず起きるのと同じ意味である。
大学時代に北海道を旅行中、有珠山の噴火があった(1977年)。2~3日前に登ったばかりで、その時は入山規制していなかった。直前までまったく予測できなかったのである。当時学生なので列車移動で、走っている列車の窓に火山灰がどんどんへばり付いて厚くなり、外はまったく見えない。よく運休にならなかったものだ。
もちろん札幌にも降灰はあったが、長万部あたりまで列車に飛んでくる火山灰は印象的であった。有珠山から直線距離で50km近くある。富士山の火山灰が関東ローム層を作るくらいだから、その位あってまったく不思議でない。
あれはもう五十年以上前のことだったが、火山が噴火すると遠くまで影響があることを痛感した。道路も通れなくなり、田畑も火山灰で覆われた。当時から競馬ファンだったので、牧場の被害が大きかったのは悲しかった。
(ちなみに、噴火被害にあったメジロ牧場で噴火の翌年生まれたのがメジロティターンで、後に天皇賞秋に勝った。その子メジロマックイーンはオルフェーブルやゴールドシップの母父で、いまも子孫に活躍馬を輩出している)
同じ事態が首都圏で起こったら大変なことになる。有珠山と同じ規模の噴火でも東海道新幹線は火山灰で埋まるし、関東ローム層並みに広がれば首都圏のJR、私鉄、高速道路は全滅である。火山灰がダム化して河川をせき止めれば、決壊した時に想定を上回る増水が下流域に及ぶ。
宮本常一の本に、富士山と伊豆諸島の山々は地下でつながっていて、噴火があるとどこかで連動すると伝えられると書いてある。伊豆大島の噴火は1986年。三宅島は1983年と2000年。両島とも全島避難を余儀なくされた。富士山の噴火を心配している人は一部にとどまるが、ないとは言い切れない。
伊豆大島全島避難も、雲仙普賢岳も御嶽山も、TVの画面を通じて見た。いざ火山が噴火すれば、想定を超えて被害が発生する。鉄道も道路も使えなくなり、火砕流が発生する。川がダメだと水道もダメである。2㍑ペットボトル何本かではとても追いつかない。
いくらスーパー堤防を作っても、膨大な火山灰で河川がせき止められ、限界まで水の量が増えて決壊すれば、その高さを超えて水が押し寄せる。それは、日本の歴史上何度もあったことである。
今回の千葉県豪雨でも、千葉市はいくつか地下貯水槽を作っていたが、その想定を超えて雨が降った。どんな災害でも持ちこたえる設備なんて、県の予算で払える訳もない。
そうなったらおそらく、どうにも手のほどこしようがないだろう。もっと若ければより安全な地域に移ることも考えるけれど、この歳になるとお迎えと思って覚悟するしかないかもしれない。
[Aug 27, 2026]
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